冷却について


エンジンは動いている間、ずっと熱を持ち続けます。ある範囲内の温度であれば問題がないのですが、あまり高温になると、オーバーヒートを起こし、エンジンにダメージを与えることになります。水温の警告ランプや水温メーターが付いているバイクは、水温の異常を確認できたら、まずエンジンを止めて走行を続けるのをやめてください。


1.  冷却水

水冷エンジンはクーラント液という専用の液体を利用して、エンジンの熱を逃がしてやる方法をとっています。このクーラント液は、以外と消耗品として認識されてない方がたくさんいますが、立派な消耗品です。防錆の添加剤関係も混ざっており、性能が劣化したままにしておくと、冷却関係にトラブルを引き起こすことになります。


2.  交換時期

冷却水の交換時期ですが、
2〜3年を目安に交換してください。また、その時にラジエーターのキャップの交換もお勧めします。ラジエータキャップはただのフタの役目だけでなく、圧抜きの役割もしているため、ここにトラブルをかかえると、すぐにクーラント・リザーブタンクに液が吹き返したりなど、循環機能に支障がでてきます。ラジエータキャップの圧力測定をする事もできますが、あまり高い部品ではないので、ついでに交換してもいいと思います。クーラントや冷却関係の点検は車検時の点検項目としてありますが、車検の無いクラスのバイクは特にこれらの交換にも気を配ってください。


3.  
注意

クーラント液の交換作業は
エンジンが冷えている時に行なうのが基本です。エンジンが熱を持っている時にこれらの作業を行なうと、大やけどの元になります。それに単に入れ替えをするだけでなく、エア抜きの作業も同時に行なうので、きちんとした経験、知識が無い場合はショップにまかせましょう。クーラント液は有害ですので決してそのまま捨てるのもやめてください。


4.  
漏れ

クーラント液は通常緑色をしています。
車などではトヨタ、ダイハツ車などが赤色のクーラント液を使用してますが、バイクの場合はほとんどが緑でしょう。ですから、止めているバイクの下に緑色の液が落ちていたりしたら、クーラント液の漏れをチェックしてください。また、この液はエンジンの熱などで蒸発する時に独特の異臭がしますので、走行中に変な臭いなどがしたら注意してください。タイヤなどにかかってしまうと滑ってしまい、転倒の危険も伴います。また、蒸発した後は白い跡が残りますので、バイクの掃除などの際に痕跡を見つけた場合も点検の必要があります。


4.  
補充

クーラント液が減った場合は補充をしなくてはいけません。リザーブタンクの”UPP”と”LOW”の間に液があれば適量、”LOW”より下になっている時は補充になります。この時にどうしてもクーラント液が用意出来ないときは水道水でもかまいませんが、
すべてを水で補うのはやめてください。沸騰温度や、凍結温度、防錆、の関係でクーラント液の濃度が変化すると、十分に性能を発揮できなくなります。


5.  
ラジエーター

エンジンの熱を奪い冷却を促すクーラント液は、自身の熱をラジエーターを循環する事で逃がしていきます。ラジエーターは走行風を取り入れたり、ラジエーターファン(後ろについている小さな扇風機みたいなやつ)の力を借りて、冷却していきます。ラジエーターは柔らかいフィンがいくつも付いていますが、
このフィンに泥やゴミがつまりだすと、走行風の通り抜けの効率が悪くなり、冷却能力が落ちます。だからといって、このフィンに向かってまともに高圧洗車機などの高い水圧をかけたり、ブラシで力いっぱいこするのはやめてください。フィンは柔らかいので潰れてしまいます。
ラジエーターファンはクーラント液が設定温度にくると作動します。たまにエンジンを止めた後も回り続けている事がありますが、ある程度したら(設定温度以下になったら)自動的に止まります。
止まらない、回らない場合は電気トラブルの可能性があります。